近年では、社会的背景や家庭の事情から「墓じまい」をするケースが増えています。しかし、そのなかで後悔してしまう事例も少なくないため、安易な墓じまいはおすすめできません。
そこで今回は、墓じまいを後悔する理由や後悔しないポイントを解説します。よくある質問についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
墓じまいを後悔する理由
墓じまいをしたあとに後悔する理由は、下記の2つです。
- 墓じまい自体に納得していなかった
- 手を合わせられる習慣・場所がなくなった
ほかには墓じまいが原因で、周囲の人とトラブルに発展するケースもあります。
例えば、故人・ご先祖様が檀家と認識されている場合は、お寺とトラブルになる可能性があります。お寺側からすると経済的に支援してきた檀家がいなくなることで、経済的な支障が生じるわけです。
そのため、檀家としてお寺を離れる場合に、反対されるケースもあるので気をつけましょう。
墓じまいで発生する後悔
墓じまいを実行することで発生する後悔は、下記の通りです。
- 撤去する際に費用が発生する
- 合祀により故人の遺骨を取り出せなくなる
それぞれ解説していきます。
撤去する際に費用が発生する
墓じまいには、手間と費用がかかります。
具体的に発生する手続きは、下記の2つです。
- お墓の解体・撤去
- 行政への書類手続き
また無許可での改葬も認められていないため、1ヶ月〜2ヶ月ほどの期間を想定しておきましょう。
合祀により故人の遺骨を取り出せなくなる
墓じまいあとの供養方法を永代供養にした場合、ほかの方と遺骨が合祀されてしまいます。つまり、特定した故人の遺骨を取り出すことができないため、注意しましょう。
ほかには「家族だけでお参りできる場所がない」「将来的に自分の先祖だけを埋葬できない」といった問題も起こりえます。そのため、契約やプランは事前に確認しておきましょう。
墓じまいで後悔しないポイント
墓じまいを後悔しないポイントは、下記の3つです。
- 最適な遺骨の管理方法を考える
- 相見積もりを取る
- 継承者がいる場合は話し合う
ひとつずつ解説していきます。
最適な遺骨の管理方法を考える
墓じまいを後悔しないために、最適な遺骨の管理方法を考えておきましょう。管理方法を決める際は、下記の2点に留意する必要があります。
- 安易に合祀を選ばない
- 遺骨を納める場所や種類を把握しておく
特に遺骨を納められる場所には永代供養墓や納骨堂、樹木葬、手元供養などがあるので、自分たちに適した管理方法を選択しましょう。
相見積もりを取る
墓じまいには一定の費用がかかるため、相見積もりを取りましょう。例えば、複数の石材店から相見積もりを取ることで、費用面での比較が可能です。
ただし、地域や墓地によっては、指定された石材店しか利用できない可能性もあるので覚えておきましょう。
継承者がいる場合は話し合う
お墓の継承者がいる場合は、墓じまいをする必要がありません。一般的に配偶者や長男を指定するケースが一般的ですが、承継の選定は自由です。
そのため、墓主は、継承者とお墓の管理方法や名義変更に伴う手続きなどについて話し合っておきましょう。
墓じまいでよくある質問
墓じまいでよくある質問は、下記の2つです。
- 墓じまいをすると、永代使用料は返金される?
- お寺から高額な離檀料が請求された場合は?
それぞれ回答していきます。
墓じまいをすると、永代使用料は返金される?
ほとんどの墓地では、使用規則で「永代使用料は返金しない」と記述されています。そのため、供養の有無にかかわらず、基本的に永代使用料は返金されないと覚えておきましょう。
お寺から高額な離檀料が請求された場合は?
お寺から離檀する際の費用相場は、3万円〜20万円とされています。しかし、お寺によっては、数百万〜数千万円が請求されるケースもあります。
請求額に納得できない場合は当事者間で話し合わず、弁護士などを交えて解決させましょう。
まとめ
今回は、墓じまいを後悔する理由や後悔しないポイント、よくある質問をお伝えしました。墓じまいを後悔する理由は、下記の2つです。
- 墓じまい自体に納得していなかった
- 手を合わせられる習慣・場所がなくなった
また、後悔しないために「最適な遺骨の管理方法を考える」「相見積もりを取る」などがあります。本記事で回答した、よくある質問も参考にして、後悔しない墓じまいを行いましょう。