現代のライフスタイルの変化により、さまざまな種類のお墓が選ばれるようになりました。そのなかでも合祀墓は寺院や霊園に管理を任せて費用を抑えられるという、現代に適したお墓だと注目されています。
この記事では、合祀墓の埋葬方法や費用などについて紹介します。永代供養との違いやメリット・デメリットについても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
合祀墓とは
合祀墓とは、他の人と一緒に納骨を納める共同のお墓のことです。合祀は「合わせて祀る」という意味があり、骨壷から個人の遺骨を取り出して、他の遺骨とまとめて埋葬します。
合祀墓にはさまざまな埋葬方法があり、それぞれ特徴が異なります。
慰霊碑型合祀墓は、納骨スペースの上に石碑や仏像などを建てて埋葬するお墓のことです。その他にも、墓標の代わりに樹木を使う自然葬型合祀墓、屋内形式の納骨堂型合祀墓、大きなお墓に個人ごとの納骨スペースがある個別集合型合祀墓、個人ごとの区画に納められる区画型合祀墓、骨壷を納骨スペースに埋葬する立体型合祀墓といった種類もあります。
なお、個別集合型合祀墓や区画型合祀墓、立体型合祀墓の場合、一定期間が経ったら合祀用の納骨スペースに遺骨が埋葬されます。
合祀墓と永代供養の違い
合祀墓と永代供養は同じものだと思われがちですが、少し意味合いが違いますのでご注意ください。
永代供養とは、寺院などが代わりに遺骨の管理や供養をしてくれることを指します。永代供養は埋葬方法ではなく、永代供養というサービス付きのお墓を選べるということです。
一般的な永代供養は17回忌や33回忌などの期間まで遺骨を管理し、その期間が過ぎたら他の遺骨と一緒に埋葬し供養してくれるのです。
寺院などが運営する永代供養のお墓は、合祀墓より供養回数が多いといったサービス内容が充実しているところが多い傾向にあります。
墓地管理者などによってサービス内容が豊富なので、永代供養を利用する場合はそれぞれの施設の情報を細かくチェックする必要があるでしょう。
合祀墓の費用
利用する施設やサービスなどによって異なりますが、合祀墓の費用は3〜30万円程度が目安だと言われています。費用の内訳には、墓地使用料や永年供養料、納骨料などが含まれます。
民営の寺院や霊園はサービス内容が豊富で費用が高めに設定されている場合もありますが、一般的なお墓よりはお得な金額なので安心してください。
合祀墓は維持費や管理費がないのが最大の魅力で、その負担費用が必要ないこと考えるとお得な金額で利用できます。なお、一般的なお墓を建てる場合、新しい墓石の購入費や永年使用料などを含めて150〜200万円程度の費用が必要です。
個別に新しいお墓を用意することに比べれば、合祀墓は比較的購入しやすい費用だといえるでしょう。
合祀墓のメリット・デメリット
合祀墓のメリットは、お墓の継承について心配する必要がなくなる点です。現代社会では少子高齢化などにより一人暮らしの方が増えてきています。
また、子どもや孫がいる場合でも、手間と時間がかかるお墓の管理を任せるのが難しい家庭もあります。合祀墓を選べば供養や管理を任せることができ、無縁墓になる心配もありません。
合祀墓のデメリットは、1度遺骨を埋めてしまうと取り戻せなくなることです。合祀墓へ移される前なら遺骨を返してもらえますが、合祀墓に入った後は他の人の遺骨と一緒に埋葬されて誰のものか分からない状態になります。
遺骨を手元に残しておきたい場合は、初めから一部の遺骨を手元に残し、一部は合祀墓へ入れることをおすすめします。
まとめ
現代のライフスタイルに合った合祀墓は、今後ますますニーズが高まると思われる埋葬方法です。一人暮らしの方はもちろんのこと、お墓参りやお墓の管理の手間をかけたくないという理由から合祀墓を選ぶ方が増えてきています。
合祀墓や永代供養を選ぶ際は費用やメリット・デメリットなどを理解したうえで、お墓の種類を選ぶようにしましょう。