改葬許可証について調べているということは、お墓の引っ越しや墓じまいを検討されているのではないでしょうか。「何から始めればいいのか」「どんな書類が必要なのか」と不安に感じていらっしゃるかもしれません。本記事では、改葬許可証の基礎知識から申請に必要な書類、具体的な手続きの流れ、よくある疑問まで網羅的に解説します。これを読めば、改葬許可証に関する不安を解消し、安心して手続きを進められるはずです。それでは、具体的に見ていきましょう。
目次
目次
- 改葬許可証とは?必要な理由と法律上の位置づけ
- 改葬許可証の申請に必要な3つの書類
- 埋蔵証明書とは
- 受入証明書とは
- 改葬許可申請書とは
- 改葬許可証の申請手続き・交付までの流れ【チェックリスト付】
- 改葬許可証が不要なケース
- 改葬許可証Q&A:よくある疑問に回答
- 改葬許可証申請時の注意点
- まとめ:改葬許可証取得のポイントと次のステップ
改葬許可証とは?必要な理由と法律上の位置づけ
改葬許可証とは、現在埋葬されている遺骨を他の墓所や納骨堂に移す際に、市町村長から交付してもらう許可証のことです。
なぜこの許可証が必要なのでしょうか。それは「墓地、埋葬等に関する法律」(墓地埋葬法)によって、遺骨を移動する際には市町村長の許可を得ることが義務付けられているためです。具体的には、同法第5条および第8条で改葬には市町村長の許可が必要であると定められています。
**許可証なしで遺骨を移動すると、法律違反となり、罰則の対象になる可能性があります。**東日本大震災の際には、緊急事態にもかかわらず無許可で遺骨を持ち出そうとしてトラブルになったケースも報告されています。
改葬許可証申請の基本ルール
改葬許可証について、以下の基本ルールを押さえておきましょう:
- 申請先は現在のお墓がある市区町村役場です(新しいお墓の自治体ではありません)
- 遺骨1体につき1通の許可証が必要です(複数の遺骨がある場合は、その数だけ申請が必要)
- 改葬先(新しいお墓)を決めてから申請する必要があります
- 申請には手数料がかかる場合があります(自治体により無料~1,000円程度)
改葬許可証が必要なケース・不要なケース
必要なケース: 現在のお墓から別の墓地や納骨堂へ遺骨を移す場合には、必ず改葬許可証が必要になります。これが法律上の「改葬」に該当します。
不要なケース: 一方で、以下のような場合は改葬許可証は不要です:
- 遺骨を自宅で手元供養する場合
- 海洋散骨や樹木葬で散骨する場合
これらは法律上「改葬」には当たらないため、許可証は必要ありません。ただし、自治体によっては事前相談を求められる場合もありますので、念のため確認することをおすすめします。
土葬のお墓の場合はどうなる? 土葬のお墓から遺骨を移す際も改葬は可能です。ただし、新しいお墓に納める前に火葬を行う必要があるため、改葬許可証に加えて火葬許可証の取得も必要になります。
改葬許可証の申請に必要な3つの書類
改葬許可証の交付を受けるには、主に次の3種類の書類を準備する必要があります:
- 埋蔵証明書(現在の墓地管理者が発行)
- 受入証明書(新しい墓地管理者が発行)
- 改葬許可申請書(市区町村役場で入手)
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
埋蔵証明書 – 現在の墓地が発行する遺骨埋葬の証明
埋蔵証明書とは、現在のお墓に特定の方の遺骨が埋葬されていることを証明する書類です。
**発行者:**現在利用中の墓地管理者(寺院の住職、公営霊園の管理事務所、民間霊園の運営会社など)
入手方法: 墓地管理者に直接連絡して発行を依頼します。寺院墓地であれば住職に、公営・民間霊園であれば管理事務所に問い合わせましょう。事前に電話で訪問日程を決めておくとスムーズです。
費用: 300円~1,500円程度が一般的です。自治体や墓地によって異なります。
注意点:
- 複数の遺骨を移す場合は、遺骨1体ごとに埋蔵証明書が必要です
- 自治体によっては、改葬許可申請書に「管理者証明欄」があり、そこに署名・押印してもらうことで埋蔵証明書を兼ねられる場合もあります
受入証明書 – 新しい墓地が発行する遺骨受け入れ証明
受入証明書とは、移転先の墓地や納骨堂が遺骨の受け入れを認めたことを示す証明書です。
埋蔵証明書が「転出証明」に相当するなら、受入証明書は「転入証明」のような役割を果たします。
**発行者:**新しく契約した墓地・納骨堂の管理者
入手方法: 新しいお墓を契約する際に、管理者に受入証明書の発行を依頼します。多くの場合、契約手続きの中で自動的に発行してもらえます。
費用: 基本的に無料です。
注意点:
- 自治体によっては、受入証明書の代わりに墓地使用許可証のコピーやパンフレットで代用できる場合もあります
- 受入証明書がないと改葬許可申請ができないため、必ず新しいお墓を決めてから申請手続きを始めてください
改葬許可申請書 – 市区町村に提出する申請用紙
改葬許可申請書とは、市役所や町村役場に提出する正式な申請用紙で、改葬する遺骨の情報や申請者情報などを記入するものです。
入手方法:
- 現在のお墓がある市区町村の戸籍担当窓口で入手
- 自治体のウェブサイトからダウンロード(多くの自治体で可能)
費用: 申請書自体の入手は無料です。提出時の手数料は自治体によって異なり、無料~1,000円程度です。
記入内容:
- 死亡者の氏名、死亡年月日、本籍地
- 現在の墓地の名称・所在地
- 改葬先の墓地の名称・所在地
- 申請者の氏名・住所・続柄
注意点:
- **申請書の書式は自治体ごとに異なります。**必ず該当する自治体の様式を使用してください
- 墓地使用者と申請者が異なる場合は、委任状や承諾書が必要になる場合があります
- 印鑑(認印)や本人確認書類の提示を求められることもあります
改葬許可証の申請手続き・交付までの流れ【チェックリスト付】
それでは、実際の申請手続きの流れを段階的に見ていきましょう。以下のチェックリストに沿って進めれば、スムーズに改葬許可証を取得できます。
改葬許可証取得の5ステップ
ステップ1:市区町村役場で改葬許可申請書を入手する
現在のお墓がある自治体の役場(戸籍住民課など)で申請書をもらいます。ウェブサイトからダウンロードできる自治体も多いので、事前に確認しましょう。
ステップ2:現在のお墓の管理者から埋蔵証明書を取得する
墓地管理者に連絡し、埋蔵証明書の発行を依頼します。寺院墓地の場合は、この時点で改葬(離檀)について住職に相談することをおすすめします。事前に電話でアポイントを取り、訪問日を決めましょう。
ステップ3:新しいお墓の管理者から受入証明書を取得する
改葬先の墓地・納骨堂と契約し、受入証明書を発行してもらいます。まだ改葬先が決まっていない場合は、先に新しいお墓を決める必要があります。
ステップ4:改葬許可申請書に必要事項を記入し、証明書類を添えて役所に提出する
申請書に必要事項を記入し、埋蔵証明書と受入証明書を添えて、現在のお墓がある自治体の役場窓口に提出します。
窓口提出の場合:
- 平日の受付時間内に訪問してください
- 印鑑(認印)と本人確認書類を持参しましょう
- 代理人が申請する場合は委任状が必要です
郵送申請の場合: 自治体によっては郵送申請も受け付けています。その場合は以下を同封してください:
- 記入済みの改葬許可申請書
- 埋蔵証明書と受入証明書の原本
- 申請者の本人確認書類のコピー
- 返信用封筒(切手貼付・宛先記入済み)
- 日中連絡可能な電話番号を申請書に記載
ステップ5:改葬許可証の交付を受け取る
申請が受理されると、改葬許可証が交付されます。交付までの期間は自治体によって異なり、即日~10日程度が一般的です。都市部では即日交付も可能ですが、多くの自治体では数日~1週間程度かかります。
書類に不備があった場合や繁忙期には、さらに時間がかかることもあります。墓じまいの日程が決まっている場合は、逆算して余裕を持って申請しましょう。
改葬許可証交付後の手続き – 提示のタイミングと移転作業
改葬許可証を受け取ったら、実際にお墓から遺骨を取り出し、新しいお墓に納めます。この際、改葬許可証は2つの場面で必要になります:
1. 改葬元(現在のお墓)での提示 現在のお墓の管理者に改葬許可証を提示して、遺骨を取り出します。この際、僧侶に依頼して閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。
2. 改葬先(新しいお墓)での提出 新しいお墓の管理者に改葬許可証を提出し、遺骨を納骨します。納骨の際には開眼供養(魂入れ)を行います。
改葬許可証は大切に保管し、改葬当日に必ず持参してください。これで改葬の手続きは完了です。
改葬許可証が不要なケース
すべての遺骨移動に改葬許可証が必要というわけではありません。以下のようなケースでは、改葬許可証は不要です。
手元供養や散骨の場合
手元供養(自宅供養)の場合: 遺骨を自宅の仏壇などで保管する手元供養を選ぶ場合、改葬許可証は不要です。これは法律上「改葬」(他の墓所への移動)に当たらないためです。
散骨の場合: 海洋散骨や樹木葬で散骨する場合も、改葬許可証は基本的に不要です。ただし、自治体によっては事前相談を推奨している場合もあるため、念のため確認することをおすすめします。
注意すべきポイント
手元供養や散骨を選ぶ場合でも、現在のお墓から遺骨を取り出す際には墓地管理者への連絡と手続きが必要です。無断で遺骨を持ち出すことはトラブルの原因になります。
また、手元供養していた遺骨を後日お墓に納めたくなった場合、その時点で改葬許可証が必要になるケースもあります。市役所の担当課に相談して、適切な手続きを確認しましょう。
改葬許可証Q&A:よくある疑問に回答
改葬許可証について、よくある質問とその答えをまとめました。
Q1: 代理人でも改葬許可証の申請ができますか?
A: はい、可能です。改葬許可証の申請は本来、墓地使用者本人が行うものですが、事情により役所に行けない場合は、委任状を用意することで代理人(親族など)が申請できます。
代理申請の際には以下が必要です:
- 委任状(本人の署名・押印入り)
- 代理人の本人確認書類
- 通常の申請書類一式
自治体によっては代理人用の申請書様式が用意されている場合もあるので、事前に確認すると良いでしょう。
Q2: 郵送で改葬許可証を申請することはできますか?
A: 自治体によって異なりますが、郵送申請を受け付けている市町村も多くあります。
郵送申請する場合は、以下を同封してください:
- 記入済みの改葬許可申請書
- 埋蔵証明書と受入証明書の原本
- 申請者の本人確認書類のコピー
- 返信用封筒(切手貼付・宛先記入済み)
- 日中連絡可能な電話番号
郵送申請では書類のやり取りに時間がかかるため、交付までの日数に余裕を持ってください。また、自治体によっては事前連絡を求める場合もあるので、郵送前に担当課に電話で確認することをおすすめします。
Q3: 改葬許可証に有効期限はありますか?
A: 改葬許可証自体に有効期限はありません。取得した許可証は基本的にいつでも使用できます。
ただし、以下の点に注意が必要です:
- 改葬先の墓地によっては「発行後○ヶ月以内に持参してください」といった独自ルールがある場合があります
- 長期間放置すると、改葬先の契約状況が変わる可能性もあります
実際には、許可証取得から3ヶ月以内程度で改葬を完了させる方が多いようです。心配な場合は、新しいお墓の管理者に確認しましょう。
Q4: 遺骨が複数ありますが、一度にまとめて申請できますか?
A: 申請自体は一度にまとめて行えますが、遺骨1体につき1通の改葬許可証が必要です。
例えば、同じお墓に3柱の遺骨が埋葬されている場合:
- 改葬許可申請書:3枚
- 埋蔵証明書:3通
- 受入証明書:3通
- 改葬許可証の交付:3通
書類は人数分揃える必要がありますので、申請漏れがないよう注意してください。
Q5: 改葬許可証を申請してから交付されるまでどのくらい日数がかかりますか?
A: 交付までの所要日数は自治体によって異なりますが、即日~2週間程度です。
- **即日交付:**都市部の一部自治体では、窓口で申請すればその場で交付してもらえる場合があります
- **数日~1週間:**多くの自治体では、申請から3日~1週間程度で交付されます
- **それ以上:**繁忙期(お盆・お彼岸前など)や書類不備があった場合は、さらに時間がかかることもあります
墓じまいの日程が決まっている場合は、逆算して余裕を持って申請手続きを行いましょう。
Q6: 火葬せず土葬のままのお墓でも改葬できますか?
A: 土葬のお墓も改葬は可能ですが、新しいお墓に移す際には火葬をしてから改葬する必要があります。
土葬墓の改葬では:
- 改葬許可証に加えて、火葬許可証の交付も必要になります
- 遺骨を取り出す際には、親族の立ち会いを求められることがあります
- すでに遺骨が土中で朽ちて形が残っていない場合は、改葬自体が不要と判断されるケースもあります
土葬墓の改葬は通常の改葬より手順が多くなるので、市役所の担当課に事前に相談して進めることをおすすめします。
改葬許可証申請時の注意点
改葬許可証の手続きは書類を揃えて提出するだけではありません。円滑に改葬を進めるために、以下の点に注意しましょう。
寺院墓地の場合は必ず事前に相談を
現在のお墓が寺院にある場合、改葬は実質的に檀家を抜けることを意味します。必ず事前に住職に相談しましょう。
トラブルを避けるポイント:
- 急に「改葬します」と伝えるのではなく、「遠方でお墓参りが難しくなった」「後継者がいない」など、丁寧に理由を説明しましょう
- 埋蔵証明書は住職に発行してもらう必要があるため、良好な関係を保つことが重要です
- 離檀料(お布施)について事前に確認しておくと安心です
相談なく勝手に進めると、高額な離檀料を請求されたり、埋蔵証明書の発行を拒否されたりするトラブルに発展する可能性があります。お世話になった感謝を伝えつつ、誠実に対応しましょう。
親族との十分な話し合いが不可欠
改葬は先祖代々のお墓を動かす重要な決断です。親族内で十分に話し合い、合意を得ておくことが大切です。
話し合うべきポイント:
- 改葬する理由と新しい供養先について
- 費用負担の分担
- 新しいお墓の管理者は誰にするか
- 改葬のスケジュール
近親者だけでなく、関係する親戚にも事前に説明しておきましょう。「後から知った親戚が反対してトラブルになった」というケースも実際にあります。特に費用負担や新しい墓の管理について意見が分かれやすいので、早めに調整することが重要です。
信頼できる石材店・改葬業者の選定
墓じまい(墓石撤去)や遺骨の搬送、新しい墓石の建立など、改葬には専門業者の協力が必要です。
業者選びのポイント:
- 複数の業者から相見積もりを取る
- 実績と評判を確認する
- 改葬許可証取得のサポートも含めた総合的なサービスを提供している業者を選ぶ
東日本大震災の際には、緊急事態にもかかわらず無許可で遺骨を持ち出そうとしてトラブルになった事例も報告されています。**信頼できる業者であっても、改葬許可証なしでは対応してくれません。**正式な手続きを踏むことが大前提です。
スケジュールには余裕を持って
改葬には様々な手続きと関係者との調整が必要です。以下の点を考慮してスケジュールを組みましょう:
- お彼岸・お盆前は役所や石材店が混み合う可能性があります
- 改葬先が決まっていないと改葬許可証の申請はできません
- 墓石撤去や新墓建立には数週間~数ヶ月かかる場合があります
焦らず計画的に進めることで、トラブルを避け、納得のいく改葬ができるでしょう。
まとめ:改葬許可証取得のポイントと次のステップ
改葬許可証は、お墓の引っ越し(改葬)に不可欠な証明書であり、法律で定められた必須の手続きです。申請には3つの書類(埋蔵証明書・受入証明書・改葬許可申請書)を用意し、現在のお墓がある市区町村役場に提出する必要があります。
改葬許可証取得の重要ポイント:
- 申請先は「現在のお墓がある自治体」
- 遺骨1体につき1通の許可証が必要
- 新しいお墓を決めてから申請する
- 寺院や親族との事前調整が大切
- スケジュールには余裕を持つ
本記事で紹介した手順やチェックリストを活用すれば、初めての方でもスムーズに改葬許可証を取得できるはずです。
次に取るべきアクション
改葬許可証について理解できたら、実際に動き始めましょう。まずは以下のステップから始めてください:
- 現在のお墓の管理者に連絡する:寺院であれば住職に、霊園であれば管理事務所に改葬の相談をし、埋蔵証明書発行の依頼をしましょう
- 新しいお墓を決める:改葬先が未定の場合は、まず新しい納骨先を探して契約しましょう
- 親族と話し合う:家族や親戚に改葬の意向を伝え、理解と協力を得ましょう
- 自治体の窓口に問い合わせる:お住まいの地域の手続き詳細を確認しましょう
改葬は人生で何度も経験するものではありませんが、適切な手順を踏めば必ず完了できます。あなたの改葬手続きが無事に完了し、理想の供養環境が整うことを願っています。


