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宗派とは?仏教の宗派の違いと一覧を初心者向けにわかりやすく解説
「宗派ってよく聞くけど、結局どういう意味なの?」「葬儀で恥をかかないか不安」「自分の家の宗派がよく分からない」——こうした疑問や不安を感じている方は、実はとても多いのです。普段の生活では意識することが少なくても、葬儀・法事・仏壇の購入などの場面で「宗派は何ですか?」と聞かれ、初めて真剣に向き合うという方がほとんどではないでしょうか。
結論から言えば、宗派を理解するには以下の順序で整理するのが一番スムーズです。
宗派とは何か → 主な宗派の一覧 → 宗派ごとの違い → 実生活での影響 → 自分の宗派の調べ方
なお、宗派によって葬儀のマナーや作法が変わります。この記事では「知識として理解する」だけでなく「実際の場で困らない」ための情報も合わせて解説しているので、読み終われば宗派について自信を持って対応できるようになります。
この記事では、宗派の基本から主要7宗派の一覧・比較表・葬儀での実際の違い・自分の宗派の調べ方まで、実生活で使える情報を網羅しています。難しい仏教用語はできるだけ避け、初めて宗派について調べる方でも理解できるよう、やさしく解説します。
宗派について最初に確認すること(結論)
決める:宗派を調べる目的を最初に確認する
宗派を調べる前に、以下の目的を確認しておくことで、必要な情報を効率よく収集できます。
① 自分の家の宗派を知りたい場合
お墓の場所・位牌の戒名・仏壇の飾り方・親族への確認という4つの方法で調べられます(詳しくはSTEP5で解説)。
② 葬儀・法事に参列するためにマナーを知りたい場合
焼香の回数・線香のあげ方・使ってはいけない言葉の3点を中心に確認しましょう(詳しくはSTEP3で解説)。
③ 仏壇・お墓を購入するために宗派を確認したい場合
本尊(どの仏様を祀るか)が宗派によって異なります。購入前に必ず確認が必要です。
確認する:宗派を調べるためのチェックリスト
宗派を特定するための情報を確認しておきましょう。
□ 先祖のお墓はどのお寺(菩提寺)にあるか □ 自宅に仏壇はあるか、ある場合は本尊は何か □ 位牌に刻まれた戒名の末尾を確認したか □ 家族・親族に宗派を聞ける人がいるか
💡 「お墓がどのお寺にあるか」が最も確実な方法です。そのお寺の宗派が、ほぼそのまま自分の家の宗派になります。
宗派とは何か(意味・檀家制度の基本)
宗派とは「同じ仏教の中での教えの違いによる分派」のこと
宗派とは、教義・儀礼などの相違によって生じた分派のことです。簡単に言えば、同じ仏教でも「どの経典を大切にするか」「どうすれば救われると考えるか」によってグループが分かれており、そのグループそれぞれを宗派と呼びます。
仏教は約2600年前にインドでお釈迦さまが開いた宗教です。日本には6世紀(飛鳥時代)に伝来し、その後奈良・平安・鎌倉の各時代を通じて様々な宗派が生まれました。現在、日本の仏教宗派は文化庁の統計によると156にのぼりますが、代表的なのが「日本八宗」と呼ばれる8つの宗派です。
宗派はなぜ分かれたのか
同じ仏教から宗派が分かれた理由は大きく2つです。1つ目は「お釈迦さまの膨大な教えのどれを中心に置くか」で違いが生まれたこと。2つ目は「どうすれば救われるか(自力か他力か)」という考え方の違いです。
| 考え方 | 内容 | 代表的な宗派 |
|---|---|---|
| 他力(念仏・信心)で救われる | 阿弥陀仏を信じることで救われる | 浄土宗・浄土真宗 |
| 自力(修行・座禅)で救われる | 自ら修行することで悟りを開く | 曹洞宗・臨済宗 |
| 法華経への信仰で救われる | 法華経こそが最高の経典と考える | 日蓮宗・天台宗 |
| 密教的な修行で救われる | 真言(マントラ)の実践で即身成仏 | 真言宗 |
「宗派」「宗旨」「宗教」の違い
「宗派」「宗旨」「宗教」は混同されやすい言葉ですが、意味が異なります。「宗教」は仏教・神道・キリスト教などの大きなくくり。「宗旨」はその宗教における教義の基本的立場。「宗派」は宗旨をもとに分かれた具体的なグループです。日常会話では「宗旨宗派」とセットで使われることも多いです。
STEP1:日本の主な宗派一覧
主要7宗派をまとめて確認
日本の仏教宗派は多数ありますが、実際の葬儀・法事でよく出会う代表的な宗派は以下の7つです。まずは全体像を把握しましょう。
| 宗派 | 開祖 | 成立時期 | 本尊 | 唱える言葉 |
|---|---|---|---|---|
| 天台宗 | 最澄(さいちょう) | 平安時代 | 特定なし(釈迦如来など) | 南無阿弥陀仏/南無釈迦牟尼仏 |
| 真言宗 | 空海(くうかい) | 平安時代 | 大日如来 | 南無大師遍照金剛 |
| 浄土宗 | 法然(ほうねん) | 鎌倉時代 | 阿弥陀如来 | 南無阿弥陀仏 |
| 浄土真宗 | 親鸞(しんらん) | 鎌倉時代 | 阿弥陀如来 | 南無阿弥陀仏 |
| 臨済宗 | 栄西(えいさい) | 鎌倉時代 | 釈迦如来 | 南無釈迦牟尼仏 |
| 曹洞宗 | 道元(どうげん) | 鎌倉時代 | 釈迦如来 | 南無釈迦牟尼仏 |
| 日蓮宗 | 日蓮(にちれん) | 鎌倉時代 | 十界曼荼羅 | 南無妙法蓮華経 |
「南無(なむ)」の後に続く言葉を覚えておくと、葬儀でどの宗派か見当がつくようになります。「南無阿弥陀仏」なら浄土系、「南無妙法蓮華経」なら日蓮宗、「南無大師遍照金剛」なら真言宗、「南無釈迦牟尼仏」なら禅宗系と覚えておくと便利です。
STEP2:宗派ごとの特徴を比較する
各宗派の教えと特徴を一言で
各宗派の教えを一言でまとめると以下のようになります。難しい言葉は使わず、イメージで理解してみましょう。
天台宗:「どんな人でも仏になれる」という包容力の宗派。多くの宗派の源流となっており、最澄が比叡山延暦寺を総本山として開きました。法華経を基本経典とします。
真言宗:「この身のままで仏になれる(即身成仏)」という密教の宗派。空海(弘法大師)が高野山金剛峯寺を総本山として開きました。真言(マントラ)を唱える修行が特徴です。
浄土宗:「南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば誰でも極楽往生できる」という宗派。法然が開き、京都の知恩院が総本山です。
浄土真宗:「阿弥陀仏を信じる心だけで救われる」という宗派。親鸞が開き、浄土宗からさらに徹底した「他力本願」を説きます。本願寺派(西本願寺)と大谷派(東本願寺)に分かれているのが特徴です。
臨済宗:「師との問答(禅問答)を通じて悟りを開く」座禅の宗派。栄西が開き、京都の建仁寺などが有名です。
曹洞宗:「何も考えずひたすら座禅することで悟りを開く」宗派。道元が開き、永平寺と総持寺の2つの総本山を持ちます。
日蓮宗:「南無妙法蓮華経という題目を唱えることで救われる」宗派。日蓮が開き、身延山久遠寺が総本山です。法華経以外の経典はほぼ使いません。
STEP3:宗派が違うと実生活で何が変わる?
宗派の違いは「知識として知っている」だけでなく、葬儀・法事・お墓などの実際の場面に直接影響します。ここが最も重要なセクションです。
葬儀・焼香・線香のあげ方の違い
同じ仏式のお葬式でも、宗派が違うと作法が変わります。参列する葬儀の宗派を事前に確認しておくと安心です。
| 宗派 | 焼香の回数 | 押しいただくか | 線香の本数・立て方 |
|---|---|---|---|
| 天台宗 | 1〜3回 | 押しいただく | 3本・逆三角形に立てる |
| 真言宗 | 3回 | 押しいただく | 3本・逆三角形に立てる |
| 浄土宗 | 1〜3回 | 押しいただく | 1本・立てる |
| 浄土真宗本願寺派 | 1回 | 押しいただかない | 1本を2つに折って寝かせる |
| 浄土真宗大谷派 | 2回 | 押しいただかない | 1本を2つに折って寝かせる |
| 臨済宗 | 1回 | 押しいただく | 1本・真ん中に立てる |
| 曹洞宗 | 2回(1回目のみ押しいただく) | 1回目のみ | 1本・真ん中に立てる |
| 日蓮宗 | 1〜3回 | 押しいただく | 1本・立てる |
言ってはいけない言葉(宗派別NGワード)
宗派によって、葬儀で使ってはいけない言葉があります。知らずに使うとマナー違反になるため、特に重要なポイントです。
浄土真宗で使ってはいけない言葉
浄土真宗では「亡くなるとすぐに阿弥陀仏のもとで成仏する」という教えがあるため、「ご冥福をお祈りします」という言葉は使いません。「冥福」とは「冥土(死後の世界)での幸福」という意味ですが、浄土真宗では冥土に行くという考え方がないためです。代わりに「哀悼の意を表します」「お悔やみ申し上げます」と伝えましょう。
また浄土真宗では「位牌」を使わず「過去帳」を用いるなど、他の宗派と異なる慣習も多くあります。
戒名の違い
宗派によって戒名(亡くなった後に授けられる仏弟子としての名前)の呼び方や形式が異なります。
| 宗派 | 戒名の呼び方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 浄土真宗 | 法名(ほうみょう) | 「釋(しゃく)」または「釋尼(しゃくに)」が頭に付く |
| 日蓮宗 | 法号(ほうごう) | 「日(にち)」が多く使われる |
| その他の宗派 | 戒名(かいみょう) | 院号・道号・戒名・位号の構成 |
法事・法要での違い
浄土真宗では追善供養(故人のためにご飯を供え冥福を祈る)という概念がなく、「報恩感謝」の場として法事を行います。そのため、他の宗派では行われる「回向(えこう)」の概念も異なります。
実生活チェックリスト
□ 参列する葬儀の宗派は事前に確認したか □ 焼香の回数・方法を宗派に合わせて確認したか □ 浄土真宗の場合「ご冥福をお祈りします」を使わないよう注意したか □ 位牌か過去帳かを確認したか(浄土真宗は過去帳)
STEP4:自分の宗派の調べ方
「そもそも自分の家の宗派が分からない」という方は、実はとても多いです。以下の方法を試してみてください。
宗派を調べる4つの方法
方法①:お墓がどのお寺にあるかを確認する(最も確実)
先祖のお墓がどの寺院の境内にあるかを確認することが、最も確実な方法です。そのお寺の宗派が、ほぼそのままご自身の家の宗派になります。お寺の山門や看板に宗派名が書かれていることが多いです。
方法②:仏壇の本尊・飾り方を確認する
仏壇の中央に安置されている本尊(仏像や掛け軸)で宗派が分かります。阿弥陀如来が中央なら浄土系、大日如来なら真言宗、釈迦如来なら禅宗系の可能性が高いです。
方法③:位牌に刻まれた戒名を確認する
戒名の末尾に付く文字(位号)で宗派の見当がつきます。「信士・信女・居士・大姉」は多くの宗派で使われますが、「釋・釋尼」が付いていれば浄土真宗の法名です。
方法④:家族・親族に聞く
祖父母・父母・叔父叔母など年長の親族に直接聞くのが手間はかかりません。菩提寺との付き合いがある方がいれば、正確に教えてもらえます。
宗派の調べ方チェックリスト
□ 先祖のお墓がどのお寺にあるかを確認したか □ 仏壇の本尊(中央の仏様)を確認したか □ 位牌の戒名の書き方を確認したか □ 年長の親族に宗派を確認したか □ 上記の方法で分からない場合は、葬儀社や仏壇店に相談することもできる
STEP5:宗派に関する注意点とよくあるトラブル
①宗派が分からないまま葬儀を進めてしまうトラブル
トラブル例
- 宗派が分からないまま葬儀社に依頼し、別の宗派のお坊さんが来てしまった
- 仏壇の本尊を間違えて購入し、後から宗派と合わないことが判明した
- 戒名をもらったが、後から宗派の形式と違うことが分かった
回避策
□ 葬儀・仏壇の購入前に必ず宗派を確認する □ 分からない場合は「宗派不明」として相談先(葬儀社・仏壇店)に正直に伝える □ 位牌・過去帳は宗派によって形式が異なるため購入前に確認する
②宗派の異なるお墓に入れない問題
トラブル例
- 寺院墓地では基本的に菩提寺の宗派の信者しか埋葬できない
- 宗派が異なる配偶者を同じ墓に入れたい場合に問題が生じた
回避策
□ 寺院墓地は「宗旨宗派不問」かどうかを事前に確認する □ 宗派を問わない公営・民営霊園・永代供養墓・納骨堂も選択肢として検討する □ 改葬・墓じまいを検討している場合は、改葬先の宗派要件を事前に確認する
③「浄土真宗」の特殊な慣習を知らないためのトラブル
浄土真宗は信者数が最も多い宗派ですが、他の宗派と異なる点が多く、知らずにマナー違反をするケースが頻発します。
□ 「ご冥福をお祈りします」は使わない(「お悔やみ申し上げます」を使う) □ 「位牌」は使わず「過去帳」を用いる □ 焼香は押しいただかない(他の宗派と異なる) □ 仏壇には「お水」をお供えしない(お茶のみ)
困った時に相談すべき窓口
- 菩提寺の住職:宗派・法事・作法全般の相談
- 葬儀社:葬儀の宗派対応・お坊さんの手配
- 仏壇店:本尊・仏具の宗派対応
- お坊さん派遣サービス:菩提寺がない・宗派が分からない場合の法事対応
STEP6:宗派の知識を確認するチェックリスト(保存版)
STEP0(今日):自分の家の宗派を確認する
□ お墓がどのお寺にあるかを確認する □ 仏壇がある場合は本尊を確認する □ 年長の親族に宗派を聞く
STEP1(今週):主要7宗派の違いを把握する
□ 唱える言葉(南無〇〇)で宗派を識別できるか確認する □ 浄土真宗の特殊な慣習(NGワード・位牌の有無)を把握する □ 焼香の回数・方法の違いを確認する
STEP2:葬儀・法事で参加する場合の準備
□ 参列する葬儀の宗派を事前に確認したか □ 焼香の作法(回数・押しいただくか)を宗派別に確認したか □ 線香のあげ方(本数・立て方)を確認したか □ 使ってはいけない言葉(特に浄土真宗)を確認したか
STEP3:仏壇・お墓を購入・管理する場合
□ 本尊は宗派に合っているか確認したか □ 位牌か過去帳かを宗派に合わせて確認したか □ 寺院墓地の場合、宗旨宗派の条件を確認したか
STEP4:宗派を変えたい・墓じまいを検討する場合
□ 現在の菩提寺(宗派)を確認したか □ 改葬先の宗旨宗派の条件を確認したか □ 離檀・改葬の手続きについて相談先(行政書士・菩提寺)を確認したか
よくある質問(FAQ)
Q1. 宗派が違うとどんな問題がありますか?
主に葬儀・法事のマナーの違いと、お墓・寺院との関係に影響します。宗派によって焼香の回数、使う言葉、位牌の形式などが異なります。特に浄土真宗では「ご冥福をお祈りします」という言葉が失礼にあたるなど、知らないとマナー違反になるケースがあります。
Q2. 無宗教でもお葬式はできますか?
できます。無宗教葬(自由葬)として、宗教的な儀式を行わない葬儀も増えています。ただし、菩提寺がある場合は菩提寺のお坊さんに依頼するのが基本です。寺院墓地を利用している場合、宗派を離れる際には「離檀」の手続きが必要になります。
Q3. 宗派を変えることはできますか?
できます。ただし、寺院墓地に先祖のお墓がある場合は、改葬(墓じまい)や離檀の手続きが必要になります。手続きには改葬許可申請・離檀料・閉眼供養などが伴います。
Q4. 日本で一番多い宗派はどこですか?
浄土真宗が最も信者数が多く、日本の仏教徒の中で最大の宗派です。特に西日本(近畿・北陸)に多く分布しています。全国的には浄土真宗本願寺派と真宗大谷派を合わせると非常に大きな割合を占めます。
Q5. 宗派が分からない場合はどうすればいいですか?
先祖のお墓のあるお寺・仏壇の本尊・位牌の戒名・年長の親族への確認の4つの方法で調べられます。それでも分からない場合は、葬儀社や仏壇店に「宗派不明」として相談することもできます。菩提寺がない方向けの「お坊さん派遣サービス」も宗派の特定をサポートしてくれます。
Q6. 浄土宗と浄土真宗の違いは何ですか?
どちらも「南無阿弥陀仏」を唱える宗派ですが、考え方に違いがあります。浄土宗は「念仏を唱えることで極楽往生できる」、浄土真宗は「阿弥陀仏を信じる心そのものが救いであり、念仏は感謝の表れ」という考え方です。また浄土真宗では位牌を使わない・焼香を押しいただかないなど、独自の作法があります。
Q7. 宗派によってお墓のデザインも違いますか?
宗派によって墓石の形や刻む言葉が異なる場合があります。浄土真宗では「南無阿弥陀仏」、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」を墓石に刻むことが多いです。ただし近年は公営・民営霊園では宗派にかかわらず自由なデザインを選べるケースが増えています。
Q8. 葬儀の時に宗派が分からない場合はどうすればいいですか?
まず実家・親族に連絡して確認するのが最も確実です。急いでいる場合は、葬儀社に「宗派が分からない」と正直に伝えれば、適切にサポートしてもらえます。菩提寺があれば菩提寺に依頼するのが基本ですが、菩提寺がない場合はお坊さん派遣サービスを利用することもできます。





