「将来お墓を引き継ぐ人がいなくて困っている」
「お墓にはあまり手間とお金をかけたくない」
このようなお悩みから、永代供養を検討されているのではないでしょうか。
一般的に家庭で建てたお墓というものは、子供や孫の世代へと、長きに渡って受け継がれていくものです。しかし、近年では少子高齢化や核家族化が進み、お墓の継承者を必要としない「永代供養」という新しい供養スタイルに注目が集まっています。
この記事では、永代供養にかかる料金について、永代供養の3つの種類ごとに解説します。負担の少ない供養法を探している方は、ぜひ参考にしてください。
永代供養とは
永代供養とは、家族の代わりに霊園や寺院が遺骨を供養・管理してくれることをいいます。
永代供養では、さまざまな人の遺骨と共にひとまとめに埋葬する「合祀(ごうし)」が一般的です。占領スペースのないお墓なので使用料が安く、墓石を個別で建てる費用をカットすることができます。
またお墓の継承を前提としていないため、維持費用としてかかる「年間管理費」を払う必要がありません。さらにお墓のメンテナンスや管理は霊園・寺院にお任せするかたちになりますから、手間がかからないのもメリットです。
このように永代供養は、金銭的にも精神的にも負担を減らすことができる供養方法であるといえます。
永代供養の料金相場
永代供養の料金は、5万円〜150万円が目安であるといわれています。
金額に大きく幅がある理由としては、永代供養墓の種類と供養の内容が、寺院または霊園の充実度などによって異なるからです。
ただし、一般的に永代供養料には「遺骨を埋蔵される面積と金額は比例する」という法則がありますので、覚えておくとよいでしょう。
永代供養の種類・料金
永代供養のお墓は大きく分けると、以下の3種類です。
- 合祀墓
- 集合墓
- 個別墓
それぞれの詳しい内容と料金について解説します。
合祀墓
合祀墓(ごうしぼ)とは、遺骨を他の人と分けることなく、多くの人々と一緒の場所に埋葬するお墓のことです。
合祀墓にかかる料金は1人あたり5万円〜30万円となっており、永代供養のお墓の形式のなかでは最も費用が安いタイプといえるでしょう。
個別に納骨するスペースが不要であり、かつ他の遺骨と一緒に埋葬されるため、管理する側としても手間がかからないことから費用が安くなっています。
デメリットとしては、一度合祀墓に遺骨を納骨すると、他人の遺骨との区別をつけられなくなるため、二度と遺骨を取り出すことができなくなる点が挙げられます。
集合墓
集合墓(しゅうごうぼ)とは、納骨スペースを個々に分けて、ひとつのお墓を共有する永代供養墓です。
集合墓にかかる料金は1人あたり20万円〜50万円となっており、個別に遺骨を保管するスペースが必要な分、合祀墓よりは費用が高くなります。
他人の遺骨と混ぜて合葬する合祀墓には抵抗がある方や、なるべく費用は抑えたいといった方に向いている永代供養のスタイルであるといえるでしょう。
注意点として、集合墓は永代に渡って無期限に納骨されるわけではなく、13回忌や33回忌などといった節目のときに合祀墓に移されることが多いです。
個別墓
個別墓(こべつぼ)とは、従来のお墓のように専用の区画に納骨するタイプのお墓です。
個別墓の料金は1人あたり40万円〜150万円となっており、礼拝の対象となる「墓石」や「樹木」にお金がかかるため、永代供養のお墓の形式のなかでは最も金額の高いタイプであるといえます。
一般のお墓と違う点としては、個別で納骨できる契約期間が決まっており、一点期間が過ぎると他の人の遺骨と一緒に合葬される点です。そのため、夫婦一代限りのお墓や、子供と2世代のお墓として「家族だけで納骨できるスペースが欲しい」といった方に検討されることが多いです。
なお個別墓の場合は、合葬されるまでの間「年間管理費」の支払いが必要なケースがありますので、注意しましょう。
まとめ
この記事では、永代供養にかかる料金について解説しました。
本記事の結論をまとめると、以下のとおりです。
- 永代供養とは家族の代わりに霊園や寺院が遺骨を供養または管理することをいう
- 永代供養にかかる料金は永代供養の種類によって5万円〜150万円と幅がある
- 永代供養の種類は大きく分けて「合同墓」「集合墓」「個別墓」の3つである
永代供養は継承者を必要としないお墓であり、手間なく費用を抑えて供養したいという現代のニーズに合った、比較的新しいお墓の形です。
どの方法にするか迷ったときは、永代供養を行なっている霊園を見学してみたり、施設の担当者に相談してみたりして、後悔のない供養法を選ぶとよいでしょう。