墓じまいの際の費用負担は一般的に大きいです。そこで、少しでも負担を軽減できる方法として、補助金があれば利用したいと思う人もいるでしょう。
一部の自治体においては、墓じまいの補助金制度がありますが、まだ全国的に普及しているわけではありません。
この記事では、墓じまいの補助金の対象者や条件、助成制度がある自治体について紹介します。また、補助金以外にも費用負担を軽減する方法についてもお伝えします。
墓じまいの補助金制度が設けられている目的
自治体が運営するのは公営霊園ですが、少子化が進むにつれて無縁墓が増えているのが問題視されています。
そこで、無縁墓の数を減らすため、地域住民に自主的な墓じまいを促進する取り組みのひとつとして補助金制度を設けているのです。
また、 無縁墓の増加により、周囲のお墓の雑草や樹木が生い茂る問題を解決し、霊園の美観や維持管理の負担を減らすことも目的としています。
墓じまいの補助金は後払い
補助金の対象となるものは、墓石の撤去費用であり、自治体は工事にかかる費用の総額または上限金額を負担します。助成金の上限は自治体によって異なりますが、最大でも20万円程度です。
ただし、注意すべき点は、補助金は墓石の解体工事が完了してから申請できることです。したがって、工事費用をあらかじめ用意しておく必要があります。
墓じまいの補助金制度を確認できている自治体
2023年7月現在で、墓じまいの補助金制度を設けている自治体をご紹介します。
千葉県市川市
千葉県市川市では、市内の一般墓地を利用している人を対象とし、墓地を除去する費用のための補助金を交付しています。
対象者は、墓地の使用を許可された後、3年以内に墓地を更地にして返還することが条件で、支払った墓地使用料の半分が返金されます。
群馬県太田市
群馬県太田市の助成金の対象は、八王子山公園墓地を利用している人で、なおかつ返還届を提出して墓石の撤去を完了した人です。
また、過去に管理料の滞納がないことが条件です。助成金の支給額は、墓石の撤去にかかった費用の総額ですが、上限は20万円と決まっています。
北海道苫小牧市
「市墓所返還支援事業」として助成金制度が実施されています。
助成金は、苫小牧信用金庫の「お墓のローン想」による融資を受けた人が対象で、信用保証料とローンの利子分が最大5万円まで支給されます。
墓じまいのための自治体によるサポート
補助金制度はないけれど、墓じまいをサポートをする自治体は全国にいくつかあります。
公立の墓地・霊園の利用者が対象とされ、一定期間内に墓地を返還する場合には、支払った使用料の一部が還付されることもあります。
ご自身の地域において、墓じまいの補助金やサポートがあるか調べるために、キーワードでネット検索したり、メールや電話で問い合わせてみることもおすすめです。
サポートをする自治体例
- 大阪府岸和田市
- 東京都立霊園
- 岡山県玉野市
- 大阪府泉大津市
補助金に頼らず墓じまいの費用を抑えるには
墓じまいにかかる費用を極力抑える方法として以下のことを行うと、トラブルを未然に防げるでしょう。
石材店で見積もりを依頼する
少なくとも2〜3社に見積もりを依頼しますが、相見積もりできるのは公営霊園に限りますのでご注意ください。
費用相場としては1㎡あたり約10万円になると考えて業者を比較しましょう。
お寺に相談する
墓じまいにするときは離檀料を請求されるのが一般的ですので、その支払いについて確認し、事前にお寺に相談することが重要です。
管理者に無断で墓じまいを行わず、適切な手続きをとるようにしましょう。
親族に相談、援助を求める
墓じまいはお墓の継承者に決定権があり、支払いも継承者ということが多いですが、事前に家族や親族に相談することが大切です。
そして、納得してもらい金銭的援助を求めることで、トラブルを回避できます。
費用が安い改葬先を選ぶ
改葬先に、合祀墓、樹木葬、手元供養など、墓石代が不要な選択肢があります。個別のお墓を建てる必要がないため、建設費用がかかりません。
また、管理費や維持費がかからないか、非常に少ない金額で済むため、費用を大きく抑えることができます。
まとめ
墓じまいとなると大きな費用負担が伴いますから、お住いの地域の補助金制度や自治体のサポートがあるならば積極的に利用すべきです。
ただ、まだ全国展開している制度ではありませんので、まずは地域の自治体に問い合わせて詳しい話を聞くのが一番です。
また、墓じまいの費用を抑えるために出来ることも考慮することで、少しでも金銭的負担を減らすことができるでしょう。