普段、忙しい毎日を送っていて、先祖や親しかった故人のお墓参りになかなか行けないという人は多いのではないでしょうか。
また、いざお墓参りに行こうと思っても、どんな種類の花をお墓に供えたらよいのか、花の供え方に決まりやマナーはあるのかなど気になる人もいることでしょう。
そこで、今回はお墓に供える花の選び方や最低限のマナーなどについてお伝えしてきます。
お墓に供える花選びの3つのポイント
お墓に供える花をどのようにして選ぶべきか、3つのポイントをご紹介します。
最適なサイズや本数
供える花の本数については「3・5・7」の奇数がよいといわれています。たとえば、年忌法要は、一周忌、三回忌、七回忌と奇数で行われ、香典や祝儀についても奇数の金額で包むのが一般的とされています。
これは古来より「割り切ることが出来ない数字は縁起が良い」という思想が反映されているからです。
墓石の左右にはひとつずつ花立てが用意されていますので、両方の花束を用意することを忘れないようにしましょう。また、花立ては割と小さめですので、束の本数は少なめにしておくとよいです。
故人の好きな花や色を選ぶ
お墓参りは故人を偲ぶのが目的であるため、基本的に故人が好きだった色や種類の花を選ぶとよいでしょう。
故人の好みの色や種類が分からない場合は、「白・黄色・紫」などの組み合わせが無難です。
ですが、亡くなって日が浅いのであれば白を基調とした薄い黄色や淡いピンクなどの色の花を供えるのがよいとされています。
霊園や墓地のルールに従う
お供えした花の片づけをすべきかどうか、わからないときはお墓を管理している人やお寺の住職などに確認しておくとよいです。
地域のしきたりなどもあって、お供えした花を持ち帰ってはいけない場合もあり、個人の考えで判断するとマナーに反することになるのでお気をつけください。
よくお墓に供えられる花の種類
お墓に供える花は絶対にこれでなければならないという種類はありません。
ここでは一般的によく供えられる花の種類を紹介しますが、迷った場合は花屋で供花用の花束を選ぶとよいでしょう。
菊の花
菊は「お墓=菊の花」といわれるほど代表的な花であり、私たちのイメージとして定着しています。
日本では昔から菊が仏花として供えられてきたことから、お墓の供花として最適だといえるでしょう。菊は花持ちがよく枯れたときも散らかりにくいというのも選ばれる理由の一つです。
カーネーション
母の日の花というイメージが強いカーネーションですが、花持ちがよく1本あたりの値段が割と手頃なことから、お墓のお供え用の花として人気があります。
また、見た目からも品がある花であり、アクセントとしてカスミ草などと組み合わせるとお墓が明るい印象になります。
リンドウ
リンドウの開花時期が7月〜9月であることから、お彼岸やお盆でよく見かける花です。
青、水色、紫など色がバラエティであり、それぞれの鮮やかな色が凛とした雰囲気を出してくれるため、見る人を楽しませてくれる花です。また、茎が固く太いため、花持ちのよさも人気の理由です。
供えてはいけない花の種類
供えるのを避けるほうがいいと一般的に言われる花があります。
例えば、バラの赤は鮮やかで思わず選びたくなりますが、トゲがあるため供えないほうがよいでしょう。
また、椿など死を連想させるような花、彼岸花など毒がある花、ユリなど匂いが強く花粉が墓石の汚れになるような花は控えましょう。
花が枯れないようにしたいということから造花を供える人もいますが、お墓参りのときだけは生花を供えるほうが故人も喜ばれるのではないでしょうか。
お墓の花を長持ちさせる方法
菊やカーネーション、リンドウのような花は花持ちすることで知られていますが、さらに長持ちさせる方法をお伝えします。
まず、茎の先端から2~3cmのところを斜めにカットして水切りします。水切りは水あげ効果があることはもちろん、茎の中に空気が入らないようにする効果があり、雑菌の侵入を最小限にすることができます。
花立てに入れたときに葉が水中にあると茎が痛みやすくなりますので、水中に触れる葉は全て取り除いておきましょう。
また秘策になりますが、10円玉を花立ての中に入れていくだけで、銅が水に溶けて殺菌効果が高いといわれていますのでお試しください。
まとめ
お墓に供えるのに適した花、適さない花を知っておくだけで、お墓参りの花選びがスムーズにいくでしょう。
基本的に故人が好きな種類の花、好きな色合いを考えて選んで供えてあげることで、きっと故人は喜ばれます。
造花がダメだということはないですが、せっかくのお墓参りですから生命感あふれる生花を持っていくほうがよいです。
お墓の花を長持ちさせる方法もぜひ参考にして、お墓参りに行かれてください。