近年は、人と人の関わりが希薄化しており、近親者であっても関わりがほとんどないといった方も珍しくありません。そのような方が陥る問題として「無縁仏」が挙げられます。
しかし、無縁仏が増えている理由や処理・手続きなどを知りたいと思っている方も少なくないはず。
今回は、無縁仏の概要や増えている理由などを解説します。本記事を通して、具体的な対策方法を理解できるので、ぜひ最後までご覧ください。
無縁仏とは?
無縁仏とは、供養者がいない、もしくは供養を続けられない状態で亡くなった故人やお墓を刺す言葉です。
一般的に、故人は遺族によって供養されて、先祖と同じお墓に遺骨を納めます。
しかし、さまざまな事情で遺族や親族がお墓の管理をできない場合、無縁仏が発生してしまいます。
ちなみに、遺族や親族がいたとして、遺体の引き取りを拒否された場合も無縁仏扱いとなるので覚えておきましょう。
無縁仏が増えている理由
近年は、多くの理由から無縁仏が増えています。無縁仏が増えている原因は、下記の3つです。
- 高齢化や社会の変化による孤独死の増加
- 核家族化が進んだことによる家族構造の変化
- 経済的な理由から葬儀やお墓の管理が困難になる
無縁仏を防ぐには、社会全体での支援体制や対策が求められています。
無縁仏になった際の処理と手続きについて
続いて、無縁仏になった際の処理と手続きを解説します。
- お墓を管理する人がいなくなった場合
- 管理している霊園や寺院が廃業してしまった場合
それぞれ解説していきます。
お墓を管理する人がいなくなった場合
お墓を管理する人がいなくなった場合に「墓地、埋葬等に関する法律施行規則の改訂」によると、処理・手続きの方法は、下記の通りです。
- お墓の滞納が一定期間ある場合、未払いであることを官報に掲載する
- 1年間お墓の目立つ場所に立札を表示して、管理者が現れなかった場合は、管理者側の判断で整理できる
そのため、お墓を更地にする際は、無縁仏は無縁墓もしくは無縁塚に移動されます。
管理している霊園や寺院が廃業してしまった場合
霊園や寺院の廃業により、無縁仏になる場合も、無縁墓や無縁塚に埋葬されます。ちなみに、遺骨を埋葬する際は下記の方法で処分されてしまいます。
- 収納しやすいように粉砕される
- 一部を埋葬して、残りは産業廃棄物として処分される
上記の方法になる理由は、無縁墓や無縁塚の収納スペースには限りがあり、遺骨の全てを納めることが難しいからです。
無縁仏にならないための対策
無縁仏にならないための対策として、下記の3つが挙げられます。
- 遺言や関連文書を作成しておく
- お墓や葬儀のプランニングを行う
- お墓の管理や引き取りを親族に依頼する
ほかには、信頼できる遺言執行者を指定できれば、亡くなった後の手続きや葬儀の決定などを円滑に進められるでしょう。
無縁仏に関するよくある質問
無縁仏に関して、よくある質問は下記の2つです。
- 無縁仏になるとどうなってしまいますか?
- 無縁仏と永代供養の違いを教えてください。
ひとつずつ解説していきます。
無縁仏になるとどうなってしまいますか?
無縁仏になると、他の方と一緒に埋葬されてしまいます。そのため、遺骨が誰のものなのか分からなくなってしまいます。
無縁仏と永代供養の違いを教えてください。
無縁仏とは、供養してくれる遺族や親族がいなくなったケースを指します。一方で、永代供養とは遺族や親族の代わりに、霊園や寺院が個人の供養を行う埋葬方法です。
まとめ
今回は、無縁仏の概要や増えている理由、対策などをお伝えしました。
無縁仏とは、供養者がいない、もしくは供養を続けられない状態で亡くなった故人やお墓を刺す言葉です。
増えている理由として、下記の3つがあります。
- 高齢化や社会の変化による孤独死の増加
- 核家族化が進んだことによる家族構造の変化
- 経済的な理由から葬儀やお墓の管理が困難になる
本記事でお伝えした内容を参考に、無縁仏にならないように対策しておきましょう。