位牌(いはい)は故人の魂が宿ると考えられてます。ですが、生活様式の変化に伴い、仏壇そのものを手放すこともあって位牌も処分しないといけないという家庭も増えてきています。
位牌の多くは木製だからといって家庭ごみとして捨ててよいものでは決してありません。
大切な故人の位牌ですしトラブルがないようにするため、その処分の手順、また費用などについてもお伝えしてきます。
どのような時に位牌を処分すべきか
位牌を処分する時期やタイミングは大きく3つあります。
三十三回忌を迎えて合祀するとき
年忌法要を執り行わないと決めた最終法要を「弔い上げ」といいます。
仏教では三十三回忌を過ぎると極楽浄土へ行けると考えられているため、通常、三十三回忌を最後の法要とします。
ただし、宗教宗派によっては五十回忌を弔い上げとすることもあるようです。
位牌が古くなって作り変えるとき
長年経った位牌は傷んだり、日焼けして戒名が読めなくなっていることがあります。
また、夫婦連名にしたい場合も位牌を作り変えます。その時は、まず新しいものが出来上がってから古いものを処分するようにしましょう。
引っ越しで仏壇を置くスペースがないとき
引越し先で仏壇を置く場所を確保できない理由から、仏壇と位牌を同時に処分してしまうのはよくあることです。
また引越し後に、菩提寺が家から遠く離れてしまったときに、墓じまいをして遺骨と位牌を永代供養にすることもあります。
位牌を処分するには閉眼供養が必要
一般的に位牌の処分の際に閉眼供養が必要です。閉眼供養は「魂抜き」や「お性根抜き」と呼ばれる故人の魂を位牌から抜く供養のひとつで、基本的に菩提寺の僧侶に依頼します。
通常、仏壇や位牌の購入時には開眼供養をしていることが多いですが、無宗教の場合は開眼供養をしていないこともあるため、処分する前に必ずお寺に確認しましょう。
閉眼供養を行ったあとは、位牌はただの板に戻っていますがゴミとして捨てずに、お寺でお焚きあげしてもらって処分してもらうほうがよいです。
位牌の処分にかかる費用
位牌の処分費用は僧侶へのお布施やお車代以外に特にありません。
閉眼供養のために自宅に来てもらいますが、その際に僧侶に支払うお布施代やお車代の費用が発生します。
なお、お布施の金額は地域によって異なるためそれぞれですが、相場ですと1万〜5万円です。
閉眼供養を済ませた後の位牌は、菩提寺に依頼すればそのままお焚き上げしてくれますので、別途費用は特に発生しません。
浄土真宗は位牌は不要
浄土真宗においては、魂が位牌に宿るという概念がなく位牌は不要であるため、位牌の閉眼供養を行いません。
浄土真宗の人で位牌の処分をしたいときは、仏具店や供養業者に依頼して供養してもらうか、浄土真宗以外のお寺で閉眼供養を依頼するとよいです。
ですが、迷ったときはまず菩提寺に相談してみると安心できるでしょう。
菩提寺がない場合の位牌の処分方法
菩提寺がわからない、菩提寺との付き合いがないという場合、位牌の処分に困ることもあるかと思います。
そんな時は、お坊さんの派遣サービスというのを利用すると、閉眼供養をやってもらえますので、安心して位牌を処分することができます。
また、位牌のお焚き上げの処分においても仏壇店や専門業者がやってくれます。
中には、閉眼供養からお焚き上げまで一括でやってくれるサービスもあり、それぞれに依頼するよりも料金も安いことがありますので、調べてみましょう。
まとめ
位牌の処分は木製だからといって簡単に家庭ゴミに捨てることができるものではありません。
処分をするまでの順序やタイミングというのがありますので、この記事内容が参考になればと思います。
また、位牌は故人の魂が宿った大切なものです。ですから、処分を考える際は、前もって必ず家族や親族と話し合って決めるようにすればトラブルを起こさず済むでしょう。