お墓を管理するようになってからは墓石のクリーニングをしていくことが重要になりますが、墓石クリーニングとは何か具体的にご存知でしょうか?
この記事では墓石のクリーニングの概要ややり方の基本、必要になる道具や費用などについて広く紹介します。より良い状態でお墓を維持していけるように正しく理解しておきましょう。
墓石のクリーニングとは
墓石のクリーニングとはお墓にある墓石をきれいにすること、つまり端的に言ってしまうとお墓掃除のことです。お墓の中心になる墓石がいつまでも良好な状態で保てるようにきれいにするメンテナンスのことを意味します。
自分でクリーニングをすることもできますが、墓石クリーニングを請け負っている業者もあるので代行を依頼することも可能です。
正しくクリーニングをしていつもきれいな状態を保つのが墓石の寿命を延ばすことにもつながるので、墓石の管理をするようになったときから気を付けなければならないことです。
墓石クリーニングの内容
墓石のクリーニングは狭義では墓石そのものをきれいにすることですが、広義ではお墓全体の掃除をして美しくすることを指します。ここではお墓全体を対象とすることを想定し、墓石クリーニングの内容を紹介します。
墓石や外柵を磨く
墓石の本体である石塔やその周りを囲っている外柵は石材でできていて、ほこりが付着するだけでなく水垢ができたり、苔が発生したりすることもあります。このような汚れを磨いてきれいに除去するのが墓石クリーニングで中心となる作業です。
鉄部の錆取り
墓石や外柵に使用されている石材には鉄などの金属も含まれているので、長期間にわたって雨風にさらされていると錆びてくることもあります。この錆を取り除くのも墓石クリーニングの重要な作業内容です。
草取りや樹木の剪定
このような墓石を中心としたクリーニングに加えて、墓誌の清掃や墓域内の草取り、ゴミ拾いなども行います。もし墓域に樹木を植えているならその剪定も墓石クリーニングに含まれます。
玉砂利の入れ替え
そして、状況によってはお墓の周辺に敷き詰めている玉砂利を新しいものに入れ替えます。このように全体としてお墓が美しく、できる限り手に入れた当初のような姿に戻すのが墓石クリーニングの特徴です。
墓石クリーニングにかかる費用相場
墓石クリーニングにかかる費用は自分でやる場合と、業者に依頼する場合でかなり違いがあります。それぞれのケースについてどのくらいの費用がかかるのが一般的なのかを確認しておきましょう。
自分で墓石クリーニングをする場合
墓石クリーニングを自分でやってしまう場合には道具さえ揃っていればほとんど費用がかかりません。
初めての墓石クリーニングで必要そうなものを全て買い揃えたとしても数千円から1万円程度で済みます。二回目以降はほとんどのものを使いまわせるので消耗品だけ数百円で買えばクリーニングをできるでしょう。
業者に依頼して実施する場合
業者に依頼して代行してもらう場合にはどんな業者を選ぶかによってかなり違いがあります。墓石クリーニングの専門業者に依頼をする場合には相場は2万円から3万5千円くらいです。
墓石の専門ではなく一般的に屋外のクリーニングの代行をしている業者に依頼すると1万5千円から2万5千円くらいが相場になっています。屋外クリーニングの業者の場合には面積が広いと費用が高くなる傾向があるので注意しましょう。
また、便利屋にも墓石クリーニングを依頼できますが、費用は1万円から2万円くらいで安いものの、プロとしての技術を持っているかどうかはケースバイケースなので注意が必要です。
墓石クリーニングを自分でやる方法
墓石クリーニングを自分でやるときにはまず道具をそろえましょう。
準備しておいた方が良いもの
雑巾とスポンジとバケツ、ほうきとちりとり、小さなブラシとゴミ袋程度が最低限必要なものです。樹木を植えているなら剪定ばさみも必要になり、鎌もあった方が楽なこともあります。
他にあると便利なのは墓石用の洗剤、軍手やゴム手袋、ヘラとたわしです。
作業内容
作業内容としては基本的なのは水洗いです。最初に墓石や外柵などに付着しているほこりをほうきで払い落してしまいましょう。そして墓石に水をかけ、雑巾で水拭きをして汚れを落としていきます。
文字のところのような細かい部分はブラシを使うときれいにすることが可能です。
これでも落ちにくいのが苔と水垢と錆びです。苔はヘラを使って落とすのが簡単ですが、ない場合にはスポンジか雑巾でよくこすって落としましょう。
水垢もこすって落とすのが基本で、スポンジでは落ちにくいときにはたわしを使うと効果的です。ただ、金属たわしは墓石を傷つけてしまうので使わないようにしましょう。
錆びは水洗いをしてこすってもなかなか落ちないことがよくあります。その際には墓石用の洗剤を使って軽くこすって落とすのが良い方法です。
洗剤によって使い方が異なるので説明書きを読んで正しく使いましょう。後は全体を水洗いした後、乾拭きをすれば終わりです。
最後に区域内の草を抜いていき、樹木をはさみで剪定してゴミを一通り片づけたら墓石クリーニングは完了です。
墓石クリーニングを自分でやるメリット
墓石クリーニングを自分でやるのは費用を最小限に抑えられるのがメリットです。
汚れが気になる部分を自分で納得できるまできれいにできる点や、先祖のためにも正しいことをしたという気持ちが生まれるのも魅力でしょう。
墓石クリーニングを自分でやるデメリット
汚れがひどいとなかなか落ちなくて苦労してしまうこともあり、頑張ったのにきれいにならなくて妥協せざるを得なくなるケースもあります。労力も時間もかけなければならないのも自分でやるデメリットでしょう。
墓石クリーニングは業者に依頼できる
墓石クリーニングは業者に依頼することもできますが、前述のように依頼先の業者によっては墓石の専門家ではないこともあるので注意しましょう。
石材の正しいクリーニング方法を知っているかどうかが違うだけでなく、クリーニングの仕方も異なっている場合が多いのです。
業者に依頼するメリット
どの業者に頼んだとしても労力がかからないのはメリットですが、仕上がりの良さが業者次第で異なるので業者の選定は慎重に行うことが大切です。
専門業者に依頼すれば高圧洗浄やスチーム洗浄を行ってくれて、落ちにくい錆びなども薬品で除去してくれるのでしっかりときれいになります。
業者に依頼するデメリット
業者に依頼するのにはデメリットもあり、良い業者を探すのに時間も労力もかかってしまいます。また、一回あたり数万円の費用がかかってしまうので、自分でできるのにお金を払いたくないと思うことも少なくありません。
ただ、遠方にあるお墓でも立ち合いをすることなく墓石クリーニングをしてもらうこともできるので、遠くにお墓があって行くのが大変な場合には費用対効果が高い方法でしょう。
墓石を綺麗に保つポイント
墓石を綺麗に保つためには頻繁にクリーニングをすることが何よりも大切です。汚れを放置してしまうと状況は悪化していく一方なので、お墓参りのタイミングを中心にして定期的にクリーニングをしましょう。
普段は自分で手入れをして、年に一回はクリーニングを専門業者に依頼するというのも良い方法です。自分では見落としてしまったり、落とすのが大変で諦めたりした汚れも定期的にきれいにすることができるので、墓石を良好な状態で保てるようになります。
まとめ:定期的な墓石クリーニングをして管理しよう
お墓を管理する立場になったときには墓石クリーニングを定期的に行ってできるだけきれいな状態を保っていくようにしましょう。汚れを貯めこまないようにこまめに手入れをするのが何よりも大切です。
自分でやっても業者に依頼して代行してもらっても構いません。どちらにもメリットもデメリットもあるので、両方をうまく組み合わせていくことも検討しましょう。