墓参りへ出向いた際に、個人の名前や生年月日、戒名が彫刻された石碑を見たことはありませんか?
これらは墓誌や法名碑とも呼ばれるのですが、「どうしてお墓の横に墓誌があるのだろう?」と不思議に思った方も少なくないはず。
そこで今回は、墓誌の意味や名前の順番、建てるときのルールも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
墓誌の意味とは
墓誌には故人の戒名や生前の名前、没年月日などが刻まれている石碑といった意味があります。また、宗派や宗旨、地域の習わしの違いなどで、下記の呼び方があるので覚えておきましょう。
- 墓標
- 霊標
- 法名碑
- 戒名板
また、墓地のスペースによっては、墓誌を設置できるとは限らないので、必ず設置する必要はありません。仮に先祖の墓石へ名前を入れられない場合には、墓誌が併設されています。
墓誌の名前を書く順番について
墓誌の名前を書く順番やルールは、下記の通りです。
- 亡くなられた順番で名前を刻んでいく
- 標題の位置に合わせて、故人の名前を隣や下に縦書きで刻む
しかし、子どもや妻が先に亡くなった場合は、家族関係がわかりづらくなる可能性があります。そのような際の書き方は、下記の表をご覧ください。
書き方 | |
親より子どもが先に亡くなった場合 | 名前を夫婦連名で刻む |
未婚・若くして親族が亡くなった場合 | ひとりだけで彫刻する |
先に妻が亡くなった場合 | 夫のスペースを隣に空けておく |
彫刻するためのスペースを開けることは、故人との関係性をわかりやすくします。ただ、「刻む場所が用意されている=死を意識させる」効果もあるので覚えておきましょう。
墓誌に関するルール
次に、墓誌に関するルールは下記の3つです。
- 建てるときのルール
- 名前を刻むルール
- タイトルのルール
それぞれ解説していきます。
建てるときのルール
墓誌を建てるときのルールとして、明確な決まりごとはありません。墓石の左右どちらかに「先祖代々墓」などを刻んで建てることが一般的です。
しかし、墓石にスペースがある場合は、墓石の手前に建てるケースもあります。そのため区画のバランスを考慮しながら、石材店と打ち合わせを行いましょう。
名前を刻むルール
墓誌に名前を刻むルールとして、下記の項目があります。
- 俗名
- 没年齢
- 没年月日
ほかにも洗礼名や戒名、宗教・宗派で授かった名前を刻みます。無宗教の場合は、省略するので覚えておきましょう。
タイトルのルール
墓誌のタイトルをつける際には、宗教・宗派によって下記のルールがあります。
- 浄土真宗:タイトル「法名碑」にする
- 浄土真宗以外の宗教・宗派:「墓誌」にする
- 浄土真宗以外の仏式:「霊標」「戒名碑」「戒名版」にする
墓誌のタイトルは、お寺や地域でルール化されているケースが多いので、事前に石材店に確認しておきましょう。
墓誌を設置するタイミング
墓誌を設置するタイミングは、下記の2通りです。
- お墓を建てるとき
- 墓石に名前を彫るスペースがなくなったとき
ひとつずつ解説していきます。
お墓を建てるとき
新しくお墓を建てるときは、墓誌の設置タイミングです。墓誌と墓石の工事は一緒に行えるため、個別で施工するより割安で設置できます。
また、墓誌が最初から設置されている場合のメリットは、下記の2つです。
- 自由に墓石のデザインを決められる
- 戒名や没年月日を墓石に刻む必要がない
直近で墓誌の使用予定がない場合でも、将来的に埋葬される人が増えることを見越して、建てるときに墓誌を設置する方も少なくありません。
墓石に名前を彫るスペースがなくなったとき
墓石に名前を彫るスペースがなくなったタイミングで、墓誌の購入も可能です。そのため、工事費の総額も加味したうえで設置するべきか選択しましょう。
建てた時点で、どれくらいの家族・親族が埋葬されるか分からない場合は、ほんとうに墓誌が必要なのか検討すべきです。
ただし、検討する際はあとから設置に必要なスペースを確保できるか確認しておきましょう。
まとめ
今回の記事に関して、下記でおさらいしておきましょう。
- 亡くなられた順番で名前を刻んでいく
- 標題の位置に合わせて、故人の名前を隣や下に縦書きで刻む
ほかにも「名前を刻むとき」「タイトルをつけるとき」に、一定のルールがあるので確認しておきましょう。
本記事でお伝えした設置するタイミングも参考にして、お墓に墓誌を設けるか検討しましょう。