墓地を建てる際に「故人の信仰や価値観の反映」「家族間での歴史や伝統の尊重」として、墓石を加工する方も少なくありません。しかし、加工の種類や手順などが分からない方も少なくないはず。
そこで今回は、墓石を加工するにあたって種類や手順を解説していきます。また、墓石を加工するために必要な資格も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
墓石加工とは
墓石加工とは、墓地や霊園で使用される墓石のデザインを指定通りに削る・磨く・切るといった作業です。使用される石材には天然石が使用されており、形状もさまざまです。そのため製品に合った石材を墓石として加工します。
墓石を加工する目的は、下記の3つです。
- 故人への敬意を表す
- 信仰や宗教的な要素
- 家族の歴史や伝統の反映
また、近年はデジタル技術を駆使した精密な彫刻や特殊素材を活用したデザインも増えています。したがって、加工を依頼する際は、信頼性のある墓石加工業者を選ぶ必要があるので、覚えておきましょう。
墓石加工の種類
続いて、墓石加工の種類を3つ紹介します。
- 香箱加工
- トキン加工
- 蓮華加工
ひとつずつ紹介していきます。
香箱加工
香箱加工とは、墓石にある棹石の上部に小さな段を作る加工方法です。明治や大正時代は、亀の甲羅のように頭部全体を丸めていたため、平らな面はありませんでしたが、時代の変化に伴い、現在の香箱加工が主流です。
トキン加工
トキン加工とは、墓石の上部を四角錐に施す加工方法です。神道の三種の神器である「八咫鏡」「八尺瓊勾玉」「天叢雲剣」を表しています。
また、和型墓石に施されているケースが多いので、覚えておきましょう。
蓮華加工
蓮華加工とは、墓石を蓮の花の形にかたどる加工方法です。竿石の台座に置かれるケースがあり、蓮華の下に蓮華を設置する「上下蓮華墓」とする場合もあります。
近年では、洋型墓石に蓮華加工を施す墓石も増えています。
墓石を加工する際の手順
- 墓石を加工する際は、下記の手順で行います。
- 採石用の岩盤から、墓石用の石材を採石
- 採掘した石材を専用カッターで切断・加工
- さらに細かく切断して、研磨する
- 墓石のデザインに加工する
完成した墓石は墓地に運び込み、墓碑と外柵を建立します。
墓石を加工する際に必要な資格
続いて、墓石を加工する際に必要な資格を2つ解説します。
- 石材施工技能士
- お墓ディレクター
ひとつずつ解説していきます。
石材施工技能士
石材施工技能士とは、石材を施工する際に役立つ国家資格です。1級〜3級までの試験があり、実務経験年数によっては1級を受けることができます。
資格を取得すると石工事の専任技術者になれるため、お客様から信頼を得られるでしょう。無資格でも石工事に就けますが、能力や技術力を高めるために検討すべき資格のひとつです。
お墓ディレクター
お墓ディレクターとは、お墓に関する教養や知識が備わった証明書となる民間資格です。資格を取得するメリットとして、墓石の知識や宗教といった幅広い知識を身につけられます。
試験は1級と2級があり、実務試験が3年以上ある場合は1級から受講できます。主に墓石を扱う石工事の場合、お墓に関する教養や知識は身につけるべきなので検討してみましょう。
まとめ
今回は、墓石加工の概要や種類、加工する際の手順、必要な資格をお伝えしました。
墓石加工とは、墓地や霊園で使用される墓石のデザインを指定通りに削る・磨く・切るといった作業です。また、加工の種類には、下記の3つがあります。
- 香箱加工
- トキン加工
- 蓮華加工
墓石を加工する際は「採石用の岩盤から、墓石用の石材を採石」「採掘した石材を専用カッターで切断・加工」などの手順を覚えておく必要があります。
本記事でお伝えした必要な資格も参考にして、目的に合わせた墓石を選びましょう。