お客様のご家族に寄り添い、お客様のご家族と共に創り上げる

お客様のご家族に寄り添い、お客様のご家族と共に創り上げる

墓じまい後の遺骨はどうする?正しい処分方法と後悔しない供養先選び

墓じまいを検討されている方、または実際に墓じまいを行った後の遺骨の扱いにお悩みではありませんか?遺骨を適切に処分・供養することは、法律的にも心情的にも重要な問題です。本記事では、墓じまい後の遺骨を正しく供養する方法を、法律のポイントや費用相場と併せてわかりやすく解説します。事前準備から後悔しない供養先の選び方まで徹底サポートいたします。

墓じまいとは何か?まず知っておきたい基礎知識

墓じまいとは、現在あるお墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去して墓地を更地に戻す手続きのことです。この際、遺骨を別の場所に移すことを「改葬(かいそう)」と呼びます。

近年、墓じまいを選択する方が急激に増加しており、2022年度には全国で約15万件の改葬が行われ、これは20年前の4倍以上の数字となっています。

墓じまいが増えている理由

  • 遠方で維持が困難:地方にある先祖代々のお墓を都市部に住む子世代が管理できない
  • 継承者の不在:少子化により、お墓を引き継ぐ人がいない
  • 管理費の負担:年間管理費や維持費が家計の負担となっている
  • 高齢による負担:お参りや管理が身体的に困難になった

このような背景から、多くの方が墓じまいという選択肢を検討するようになっています。

墓じまい後の遺骨、処分前に知るべき法律と準備

遺骨の扱いには法律上の重要な規定があります。適切な手続きを踏まずに処分すると法律違反となる可能性があるため、必ず以下の点を確認しましょう。

絶対に守るべき法律

  • 刑法190条(遺骨遺棄罪):遺骨を勝手に捨てたり、無許可で埋葬すると処罰の対象
  • 墓地埋葬法第4条:許可なく私有地に遺骨を埋葬することは禁止

重要:遺骨をゴミとして出すことは絶対に避けてください。これは明確な法律違反行為です。

墓じまい前に必要な準備

  1. 改葬許可証の取得
    • 現在のお墓がある市町村役場で申請
    • 墓地管理者(寺院など)の署名押印が必要
    • 新しい納骨先の受入証明書も必要
  2. 親族への相談と合意形成
    • 墓じまいについて親族全員で話し合い
    • 新しい供養方法についての合意
  3. 菩提寺との調整
    • 墓じまいの意思を事前に伝達
    • 閉眼供養(魂抜き法要)の日程調整
    • 離檀料やお布施について相談

遺骨の正しい処分・供養方法【主要5パターン】

墓じまい後の遺骨には、主に以下の5つの供養方法があります。それぞれの特徴、費用、メリット・デメリットを詳しく解説します。

1. 新しいお墓に改葬する(自宅近くへのお墓引っ越し)

現在のお墓から遺骨を取り出し、自宅近くなどアクセスしやすい場所に新しくお墓を建てる方法です。

メリット

  • 従来通り個別のお墓を持てる
  • 家族がお参りしやすい立地を選べる
  • 墓石に名前を刻み、個別に供養できる

デメリット

  • 費用が最も高額(100万~200万円程度)
  • 将来的に再び継承者の問題が発生する可能性
  • 新たな年間管理費が必要

こんな方におすすめ

  • 経済的余裕があり、従来のお墓形式を維持したい方
  • 確実な後継者がいる方

2. 永代供養墓に納骨する(寺院や霊園に永代供養を依頼)

寺院や霊園が遺骨を預かり、永代にわたって供養・管理してくれる方法です。

種類と費用相場

  • 合祀タイプ:他の遺骨と合同で埋葬(5万~15万円)
  • 個別安置タイプ:一定期間個別に安置後、合祀(30万~150万円)

メリット

  • 後継者不要で安心
  • 一般墓より費用を抑えられる
  • 年間管理費が不要(多くの場合)
  • 寺院による定期的な供養

デメリット

  • 合祀後は遺骨を取り出せない
  • 供養方法が画一的
  • 個別のお参りが難しい場合がある

こんな方におすすめ

  • 管理負担を軽減したい方
  • 跡継ぎがいない方

3. 樹木葬で自然に還す

墓石の代わりに樹木や花を墓標とする、自然志向の埋葬方法です。

費用相場

  • 合祀タイプ:5万~20万円
  • 個別区画タイプ:20万~80万円

メリット

  • 自然の中で眠れる
  • 従来のお墓より明るい雰囲気
  • 永代供養付きが多い
  • 環境に優しい

デメリット

  • 立地が限られることが多い
  • 自然災害の影響を受ける可能性
  • 従来の墓参りとは雰囲気が異なる

こんな方におすすめ

  • 自然志向の方
  • 明るい雰囲気の供養を希望する方

4. 納骨堂に収蔵する

屋内施設に遺骨を安置する供養方法です。

種類

  • ロッカー式:数十万円
  • 仏壇式:50万~150万円
  • 機械搬送式:100万円以上

メリット

  • 都市部のアクセスの良い立地が多い
  • 天候に左右されずお参りできる
  • 冷暖房完備で快適
  • セキュリティが充実

デメリット

  • 使用期限がある場合が多い
  • 屋内のため「お墓参り」の実感が薄い
  • 更新料が必要な場合がある

こんな方におすすめ

  • 都市部在住でアクセスを重視する方
  • 天候を気にせずお参りしたい方

5. 散骨する(海・山へ遺骨をまく)

遺骨を粉状に砕いて自然に撒く供養方法です。

種類と費用

  • 海洋散骨:5万~30万円
  • 山林散骨:10万~50万円

メリット

  • お墓不要で維持費がかからない
  • 故人の希望に沿った自由な供養
  • 比較的費用が安い

デメリット

  • 遺骨が手元に残らない
  • 後で「やり直し」ができない
  • 法律的にグレーゾーンな部分がある
  • 気軽にお参りできる場所がなくなる

重要な注意点

  • 遺骨は必ず粉末状に加工する(粉骨)
  • 許可された区域でのみ実施
  • 環境への配慮が必要

こんな方におすすめ

  • 故人が自然回帰を希望していた方
  • 維持費用をかけたくない方

墓じまい当日の流れと遺骨の取り扱い方法

墓じまいを実際に行う日の流れと、遺骨の適切な取り扱い方法をご説明します。

当日の流れ

STEP1:閉眼供養(魂抜き法要)

  • 僧侶にお経をあげてもらい、墓石から御霊を抜く儀式
  • 所要時間:30分程度

STEP2:墓石の解体・撤去

  • 石材店による墓石の撤去作業
  • 費用:30万~50万円程度

STEP3:遺骨の取り出し

  • カロート(納骨室)から遺骨を丁寧に取り出し
  • 遺骨が土に還っている場合は可能な限り収集

STEP4:遺骨の整理(必要に応じて)

  • 洗骨:汚れやカビを除去
  • 粉骨:散骨する場合はパウダー状に加工

STEP5:新しい供養先への移送

  • 自家用車での運搬または専門業者による配送
  • 改葬許可証を必ず携帯

当日の持ち物チェックリスト

  • ✓ 改葬許可証(原本)
  • ✓ 身分証明書
  • ✓ 新しい骨壺または骨箱
  • ✓ 手土産(石材店への心付けなど)
  • ✓ 作業用手袋
  • ✓ ビニール袋(土や骨片用)

遺骨の運搬方法

自家用車の場合

  • 骨壺を安定した場所に固定
  • 急ブレーキや急カーブに注意

郵送の場合

  • 専門の梱包材を使用
  • 骨壺であることを明記
  • 追跡可能な方法で発送

よくある質問(Q&A)

Q1. 遺骨を自治体に引き取ってもらうことはできますか?

A: 基本的に自治体が個人の遺骨を引き取る制度はありません。ただし、引き取り手がいない無縁仏は、自治体が一定期間保管後に合同墓に埋葬するケースがあります。親族で引き取れない事情がある場合でも、勝手に処分せず自治体や霊園に相談しましょう。

Q2. 墓じまいの際、お寺へのお布施や離檀料はどのくらい必要?

A: 閉眼供養のお布施は1~5万円程度が目安です。離檀料(檀家を離れる際のお礼)は寺院によって様々ですが、数万円~10万円前後が一般的です。事前に菩提寺と相談し、感謝の気持ちを込めて適切な金額を包むことをおすすめします。

Q3. 骨壺や墓石はどのように処分すればいいですか?

A: 骨壺は遺骨そのものではないため、自治体の指示に従いゴミとして処分することも可能です。気になる場合は塩で清めてから処分する方もいます。墓石は石材店が引き取り処分します。希望すれば墓石の一部を記念として持ち帰ることも可能です。

Q4. 改葬許可証がないと遺骨を移動できませんか?

A: はい、改葬許可証は必須です。新しい納骨先は改葬許可証の提示を求めます。許可証なしでは正規の埋葬先に受け入れてもらえませんので、必ず現在のお墓がある市町村役場で発行を受けてください。

Q5. 「0葬(ゼロ葬)」とは何ですか?

A: 0葬とは、火葬場で遺骨を全て焼き切って残さない埋葬方法です。遺族が遺骨を引き取らないため、「お墓も遺骨も残さない葬送」として注目されています。関西では部分収骨の慣習があり比較的実施しやすいですが、関東では遺骨を全て持ち帰るのが一般的で、利用が困難な場合もあります。

Q6. 墓じまいを業者に一括代行してもらうことはできますか?

A: はい、墓じまい専門の代行サービスがあります。改葬許可申請から墓石撤去、新しい供養先の手配までワンストップで対応する業者があります。費用はかかりますが、手続きに不安がある場合や遠方で対応できない場合には検討すると良いでしょう。依頼する際は実績のある信頼できる業者を選び、詳細な見積もりを取って内容を確認してください。

まとめ – 遺骨の適切な処分で安心の供養を

墓じまい後の遺骨は、決して粗末に扱うことなく、法律に従った適切な方法で供養することが大切です。

本記事でご紹介した通り、永代供養墓、樹木葬、納骨堂、散骨など、現在は多様な選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご家族の事情や故人の意思、経済状況を総合的に考慮して最適な方法を選択しましょう。

大切なのは、準備をしっかりと行うことです。法律的な手続きを怠らず、親族との合意形成を図り、信頼できる専門家に相談しながら進めれば、必ずスムーズに墓じまいを完了できます。

もしご不明な点や心配事がございましたら、お気軽に専門家にご相談ください。あなたのご先祖様が安らかに眠れる、最適な供養方法がきっと見つかります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。あなたの墓じまいが穏やかで心安らかなものとなりますよう心よりお祈りしています。

error: Content is protected !!